木村佳乃(以下、佳乃)
ユースケ・サンタマリア(以下、ユースケ)
鈴木先生(以下、鈴木) |
佳乃 |
では先生、恋人とケンカをしてしまったら、どんな風に仲直りするのがいいと思いますか? |
鈴木 |
私の説はですね、
Girls Bird Humming! |
ユースケ |
ちょ、ちょっと待って!
おい、おい、おい。 |
鈴木 |
女の子はね、小鳥のようにさえずれば、
ラブパワーを産むってことよん♡ |
佳乃 |
小鳥のようにさえずる、っていうのはどういう事ですか、先生? |
鈴木 |
ブッ。(照れて笑っている) |
ユースケ |
どういう事なんですか? |
鈴木 |
(佳乃の耳元に近寄って)
チュキィ!(笑) |
ユースケ |
何言ってんの?
先生、完全に聞こえてますよ。 |
佳乃 |
愛の告白されたー、今。 |
鈴木 |
この先は、これから私が講議を始めたいと思います。 |
ユースケ |
えーーーー |
鈴木 |
付いて来て! |
佳乃 |
はい。 |
ユースケ |
どこに?どこに?? |
鈴木 |
(眼鏡をかける) |
ユースケ |
何だ、その眼鏡はーーー!? |
鈴木 |
(ボードの前に指し棒を持って立っている)
私は、恋愛の家庭教師として派遣されたので、
今日は恋愛についてみっちり佳乃くんを鍛えます。 |
佳乃 |
はい。お願いします。 |
鈴木 |
じゃ、いきますよ。
(ボードを指しながら)
まず、男女間におけるケンカの種類。 |
佳乃 |
種類があるんですか? |
鈴木 |
そうです。
私は、この種類についてA、B、Cとボードにまとめてきました。
ではまず、Aからいきましょうか。 |
佳乃/ユースケ |
はい。 |
鈴木 |
じゃあ、見てみましょうね。 |
ユースケ |
“実例”があるんですね。 |
鈴木 |
“実例”からいってみましょう。
ジャン!(めくりをはがす) |
佳乃 |
(ボードを読んで)ヘラ事件!? |
鈴木 |
鈴木S容疑者の話なんですけど。 |
ユースケ |
鈴木S?鈴木砂羽。
先生じゃないですか? |
鈴木 |
ハハハハハ |
佳乃 |
本当だー |
|
<一同爆笑> |
鈴木 |
そんな事はどうでもいい。
いいですかー?S容疑者は、彼のためにお家でカレーライスを作りました。 |
ユースケ |
はあ。 |
鈴木 |
で、Sちゃんは彼氏がおかわりをするので、彼氏の分もお皿をとってよそってあげようとしました。
ところが、彼氏は「あっ、いいよ。オレ自分でよそうから」って言って立ったんですね。
そこで、事件は起こりました。
なんと、彼はご飯を大盛りによそいました。
その後がいけない! |
ユースケ |
何、何、何? |
鈴木 |
ヘラをそのままジャーの中に突っ込んで、フタをした。
ジャーの中は温かいから、手のバイ菌や雑菌が繁殖して、嫌なんです。
嫌なんです、すごく。 |
ユースケ |
まあ、確かにそうですね。 |
鈴木 |
それで、Sちゃんは怒ったの。
「なんで、電子ジャーの中にヘラ入れる?」って。 |
佳乃/ユースケ |
はあーーーー。 |
鈴木 |
すると、彼氏は「だってよ、(ヘラを)外にかけたら、ヘラに付いてる飯粒がこびこびになって、次よそう時、そのこびこびが付いてうまくねぇじゃんよー」って言ったんですよ。 |
ユースケ |
それは、正論じゃないですか。 |
佳乃 |
それはでも、習慣の違いですね。 |
ユースケ |
習慣の違いです、それは。 |
鈴木 |
そうです。
今いい事言いましたね、佳乃くん。 |
佳乃 |
あっ! |
鈴木 |
日常普通にやっている事が、
いきなりラブラブな2人をこーーんなに隔てる壁となるんですよ。 |
佳乃 |
はあ。 |
ユースケ |
ほ、ほーー |
佳乃 |
でも先生、
私もヘラを中に入れちゃうかも。(笑) |
鈴木 |
ブーブーブーブー |
ユースケ |
僕も入れちゃう。 |
鈴木 |
でも、よく考えて下さい。
これさえも、こんなくだらないケンカさえも、ラブコミュニケーションだと思いませんか?
後々、考えていけば。 |
ユースケ |
そうですよね。
ケンカするほど仲がいい、みたいな。
一番かわいいケンカじゃないですか。 |
鈴木 |
そう、一番かわいいところです。
こういうケンカは、私はできればたくさんした方がいいと思います。
ということで、解決法を見てみたいと思います。
(めくりをはがす)
いかに自分がくだらないことを事を言ってるか、という事に早めに気付きましょう、という事です。
そうすると、こういうケンカで謝ると、なんと、相乗効果で彼が彼女の事をとてもかわいい、と思ってくれます。
その時に、小鳥のようにさえずって下さい。
次、B。佳乃くん、読んで下さい。 |
佳乃 |
はい、
「君を知って、ほじくり系」。 |
|
<一同爆笑> |
鈴木 |
はい。 |
ユースケ |
佳乃くんが読むところが、いいっすね。
「ほじくり系」って滅多に口にしない事を。 |
鈴木 |
ジャン!
(“実例”の所のめくりをはがす) |
佳乃 |
(ボードを読んで)
トンカツ事件!? |
ユースケ |
なんか先生、食い物の事ばっかりじゃないですか!
容疑者は誰なんですか? |
鈴木 |
見てみましょうか。
(めくりをはがす) |
ユースケ |
また自分じゃねぇか。 |
|
<一同爆笑> |
ユースケ |
しかも、犯行現場“とんかつ にいむら”って!?具体的な所じゃねぇか。
知ってるよ、“にいむら”って。 |
鈴木 |
これはですね、「君を知ってほじくり系」と言うぐらいですから、
何をほじくるかと言うと、お互いのクセや性格をほじくるんですね。 |
ユースケ |
ほじくっちゃう。 |
鈴木 |
はい。ある時、2人は映画に行こうという事になりました。新宿で。 |
佳乃 |
いいですねぇ。 |
鈴木 |
ところが、肝心な事を忘れていたんです。 |
ユースケ |
何ですか? |
鈴木 |
Sちゃんも彼氏の方も、映画の時間帯を調べるのを忘れていたんですね。 |
ユースケ |
それ、ものすごい事忘れてるじゃないですか! |
鈴木 |
そうなんですよ。 |
ユースケ |
映画見る、ってまずその時間を知らないと。 |
鈴木 |
それで、見たい映画館に向かいました。
すると、今始まったばっかりで、2時間半後にならないと、映画は始まらない。 |
ユースケ |
だから、調べて行くんですよ、僕は。 |
佳乃 |
なるほど、なるほど。 |
鈴木 |
女子としては「ああ、2時間半か」2時間半なんてあっという間の時間に感じませんか、佳乃くん? |
佳乃 |
そうですね。
ちょっと伊勢丹に行ったら、おしまいですよね。 |
ユースケ |
伊勢丹って、具体的なっ! |
佳乃 |
だって、新宿だから。 |
ユースケ |
まあ、伊勢丹オレも行くけど。 |
鈴木 |
そこに行けばいいと思うじゃないですか。
ところが、また1つここで落とし穴がありました。
Sちゃんの彼氏は、大変ベリー空腹だったんですよ。 |
佳乃 |
はい、はい。 |
ユースケ |
ここで“にいむら”が出てくるんだ。 |
鈴木 |
はい。
事件が起きました。 |
ユースケ |
何、どんな? |
鈴木 |
待っても、待ってもとんかつが来ないんですよ。
全然来ないんですよ。
それは私のせいでもないでしょ。 |
ユースケ |
そうですよね。 |
鈴木 |
その間に、彼氏の顔がどんどん、どんどん、どんどん曇ってきます。
挙げ句の果てに、こんな言葉を言い放ちました。
「まったくよ、てめえがもたもたしてて、時間調べないせいで、こんな時間の無駄遣いしてんだよっ、ばーーかっ」って。 |
佳乃 |
こわい。こわい。こわい。 |
鈴木 |
そして、私はとんかつを食っちまってから、バンッて立ち上がって、
「サイテーーーー」と言って、店を出ちゃったんです。 |
ユースケ |
ああ、ちゃんと食ってね。
きれいに食べて、「サイテー」って出てったわけだ。 |
鈴木 |
そう。
でもまあ、私が一番言いたい事は、いかにこんな風にラブラブしてる2人でも、何か理性が途切れたりとか、空腹だったりとか、
とにかく本能が左右した時に、思いがけない事を言ってしまう。特に男性の方はそうです。 |
ユースケ |
はい。分かります。 |
鈴木 |
それは、女性の方があんまりそこをほじくってはいけないんですよ。
深く掘り下げてはいけないんです。 |
ユースケ |
もともと心にもない事ですからね。
イライラしてるからこそ言ってしまった事なんで。 |
鈴木 |
そうなんです。
でも、大抵のカップルは、ここで大きな間違いをして、別れてしまうことが大変多いんですね。 |
佳乃 |
あー、なるほど。 |
鈴木 |
ここで、誤解をしてしまうからです。
そこで私が、解決法。
(めくりをはがす)
その日のうちに解決しましょう。 |
ユースケ |
はい。 |
鈴木 |
なるべくクールダウンして、お互いに冷静に。
信頼感を忘れない事です。 |
佳乃/ユースケ |
はい。 |
鈴木 |
僕も君も、好き好きって思ってないとダメなんです。 |
ユースケ |
好き好き、って思う。 |
鈴木 |
「好き好き。だけど、間違えちゃった」ってぐらいに思いましょう。 |
|
<一同爆笑> |
佳乃 |
はい。 |
鈴木 |
それでですね、最後C。 |
佳乃 |
暴力沙汰? |
鈴木 |
そうです。♪
(火曜サスペンスのテーマ)
テテテ、テーテーテー♪
(めくりをはがす) |
ユースケ |
あーーーーー |
佳乃 |
あーーーーー!! |
鈴木 |
もうこれ、破局よ!! |
ユースケ |
一言しか書いてない。 |
鈴木 |
「表に出やがれ、こんちくしょー」ですよ、
これは。 |
ユースケ |
ちょっと待って、ちょっと。 |
鈴木 |
こんなささいな事(Aのパターン)、こんなどうしようもない事(Bのパターン)、これが蓄積されると、2人の間でどうしようもない溝が深~く、深~~く、深~~~く、できちゃうんですよ。
ってな訳で、A、B、Cと私説明してきましたけれども、くれぐれも皆さんこういう風になる前に、なるべくいいケンカをして、カップルは楽しく過ごせるようにしてみたいものですね。 |
佳乃 |
はい。 |
ユースケ |
では、今の先生の説明を聞いてて、まとめて言ってみますとですね、
女性の方から謝った方がいいという事なんですか? |
鈴木 |
そうですね。 |
佳乃 |
男性が悪くとも? |
鈴木 |
そうです。なぜならば、
男の方というのは、大変自分の方から謝りにくい動物です。
そんな時、女の子が少し上に立って、彼氏の立場を考えてあげて、ちょっとかわいく彼氏の方にすり寄っていってみましょう。 |
佳乃 |
はい。 |
鈴木 |
「さっきあんな事言って悪かったねん♡」って。
本当は自分の方が悪いなんて思ってないんですよ。
そうすると、彼は背を向けたまま、「うん、いいよ別に」って言うんですよ。 |
ユースケ |
「悪いなぁ」って思ってるんだけど意地張って謝れなくて、でも、そう言ってきてくれたら「いやいや、オレも悪かった」ってなりますね。 |
佳乃 |
キュンとします? |
ユースケ |
“キュン”どころか、もう株上がりまくり。 |
佳乃 |
本当!? |
鈴木 |
だから、これができる女の子っていうのは、大変いい女だと思っております、私は。 |
ユースケ |
まさにそうでしょう。 |
佳乃 |
へえーーー。
先生も必ずそうやって小鳥のように謝られるんですか? |
鈴木 |
だから、私もね、できないから恋愛修業中の身なわけでございます。
こうして、皆さん大人になって、大人の恋をしていくといいな、と私は思ってるんですね。 |
|
<一同爆笑> |